高野長寿「スポーツ雑記帳(医学的視点を含む)」の記事

  • 2021.07.13

大谷翔平選手の規格外の活躍を日々の仕事や生活の活力にしている方は多いのではないでしょうか。

かくいう私もその一人です。

アメリカ人のメジャーリーガーであったとしても考えられないようなことを日本人の彼が成し遂げているとは。

しかも、その風貌は爽やかとしかいいようがなく、そのままハリウッドにもデビューできそうな大谷選手。

現実の出来事とは思えない、と多くの人が感じていることでしょう。

けれども少し思い出してみてください。

大谷選手が高校生の頃、日本プロ野球のドラフトを拒否し、卒業後すぐのメジャーリーグ挑戦を表明していた頃、彼のことを「素晴らしい才能の持ち主なのに変わった高校生だ」とみていた人も少なくなかったことを。

紆余曲折を経て栗山監督率いる日本ハムファイターズに入団しましたが、その後も彼はある意味「非常識」なことを次々と成し遂げていき、異端の人からスーパースターへと変貌していったのです。

プロの世界で投打の二刀流などできるのか?

日本ではできたけれどメジャーリーグでそれができるのか?

日本人がメジャーリーグでホームランバッターになどなれるのか?

爽やかに涼し気に次々とこれらの非常識を成し遂げてきた彼。

「非常識なことが大嫌いな日本人社会」の中にあって、自らの「非常識な夢」を追い続けた大谷選手に敬意を抱かずにはおれません。

寛容で柔軟な指導者に恵まれたことは確かでしょう。

しかし偏狭な人もいたはずで、ずいぶん嫌な思いもしたことでしょう。

そんなことは微塵も感じさせない彼ですが。

大谷選手に天賦の才があったとしても、彼がパターン化した思考の持ち主でつまらない常識に囚われてしまう人であったなら、現在の姿は間違いなくなかったでしょう。

大谷選手の天賦の才はその身体能力にのみとどまらず、新しい概念を生み出すことができる頭脳にも及んでいることは間違いないと思います。

もちろん、爽やかで謙虚でチャーミングな性格や究極の造形美のようなルックスにいたるまで。

大谷選手は驚きや歓喜とともに「常識に囚われすぎたり」「パターン化した思考に陥ってはいけない」ということを爽やかに微笑みながら我々に教えてくれているのではないでしょうか。

医療においても戒めとすべきことを、彼はたくさん教えてくれているように思います。

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